中小企業の成長に向けた、事業理解・本業支援提案をしませんか?取引先の強み・こだわりをもっと知り、成長に向けた提案をするために、当ウェブサイトでご提供する情報をぜひお役立てください。
概要
特許・商標、ノウハウ等は知的財産といい、法律によってその権利が守られており、経営資産として有効に活用することが可能です。
知財金融促進事業では、地域金融機関が、中小企業の知恵や工夫を中心とした経営資源を、知財に着目して理解した上で、事業や経営の支援を行うこと(=知財金融)を促進しています。
知財金融促進事業では、地域金融機関等に中小企業等の知的財産を活用したビジネス全体を評価した「知財ビジネス評価書」や中小企業等の知的財産を踏まえた経営課題に対する解決策をまとめた「知財ビジネス提案書」を提供してきました。
また、取組の一層の普及のため、「知財ビジネス評価書(基礎項目編)」や「知財ビジネス評価書(目的別編)」のひな形・作成の手引きを策定するなど、環境整備を進めてきました。
知財ビジネス評価書では、支援対象企業の強み・知財分析を行った上での現状把握(「As Is」)が主な内容でしたが、今年度は「As Is」に加え、自社の将来像を見据えた経営戦略(「To Be」)も併せてとりまとめた「知財ビジネス報告書」の作成支援を実施します。
知財金融が目指す姿
「平成30年度中小企業等知財金融促進事業」では、大学・金融機関・中小企業支援機関から構成される知財金融委員会を設置し、過年度の当該事業での活動を踏まえた「最終とりまとめ」を策定・公表しました。
知財金融が目指す姿
中小企業は日本の産業競争力やイノベーションの源泉として大きな役割を果たしているだけでなく、地域経済にとっても極めて重要な存在である。中小企業の事業を発展させていく上で、金融機関が中小企業の事業の実態をより深く理解して支援することが重要だと考えられるものの、金融機関にとって知財の観点を踏まえた支援を行うことは困難な状況にある。そのため、特許庁では、中小企業の知財活用を促進するための様々な支援の一環として、平成27年度から「中小企業知財金融促進事業」を実施してきたところである。
本事業では地域金融機関が、知財を切り口として、中小企業の事業実態や将来の成長可能性等についての理解を深め、営業、融資、本業支援等を行うことを支援する施策を実施してきた。平成27年度から実施してきた本事業を通じて、以下のような考え方が導かれてきた。
地域金融機関は事業性評価のために、市場環境や商流、当該企業の経営資源等、定性情報の把握に努めているところである。しかしながら、地域金融機関にとって経営資源の中で重要な部分を占める技術や知財について十分な理解をすることは容易ではない。結果として、地域金融機関が比較的容易に把握できる市場環境や商流に目が行ってしまうことも少なくないが、これらの要因は、短期での変動性が高いという特性があり、また限定された一般的でないマーケットを狙うことが多い中小企業の経営にとっては、マーケットのマクロ動向も、事業への影響は限定的であることもよく見受けられるところである(グローバルニッチトップを狙う場合を除く)。
経営資源が乏しい中小企業においては、経営資源そのものに着目した分析の方が、中小企業の事業競争力の理解には、有益であるという考え方がある。そして、中小企業の経営資源としては、ヒト・モノ・カネが潤沢でないという状況が一般的であるため、最も重要で着目すべき経営資源は、技術、ノウハウ等の知恵や工夫といえる。知財はそのような知恵や工夫を体現するものであることから、中小企業の事業理解の上で知財に着目することは非常に有効である。
地域金融機関が、中小企業の知恵や工夫を中心とした経営資源を、知財に着目して理解した上で、事業や経営の支援を行うこと、これこそが、本事業における「知財金融」の目指す姿である※
- なお家森信善「知財活用型事業性評価への期待と課題」特許研究第65号(2018年3月)では、同様の趣旨で、「知財活用型事業性評価」という表現を用いている。
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